名探偵に薔薇を(城平京、創元推理文庫)

スパイラル外伝を読んだときにも思ったけど、この人はちょっと描写過多なところがある。もっとさらっと流して読者に想像させたほうが良さそうなところまで作者のほうで書いてしまうので鬱陶しいと思うことが多い。あとこれはどうでもいいけど、固有名詞のつけ方があんまり好きじゃない。人名は普通だけど毒の名前が『小人地獄』とか、あとスパイラル外伝のクラゲの名前とか、結構違和感を感じてしまう。なんというか、何でもちょっと大げさに書きすぎてるよなと思う。
話自体は面白かった。解説そのままだけど、二転三転する真相とか皮肉な結末とか名探偵の苦悩とか、そういうのが結構濃くて飽きさせずに一気に最後まで読ませてくれた。