オーフェン完結に寄せて

鮮やか…と言って良いのかどうか。ただ今更全部の伏線を回収して風呂敷畳んで、とかされるよりはよっぽどまし。文句無くさわやかな読後感。前向きでいい感じ。
さすがにこのシリーズが終わるとなると結構感慨深い。シリーズのほとんど最初期から追いかけ続けているので、たとえもう作者の興味はエンジェルハウリングに移ってそうだよなとかアーバンラマ越えたあたりからグダグダ感いっぱいとか思っても実はこの本目当てに本屋行ったわけではなくてほとんど偶然発見したのだとしても、やっぱり感慨深いものは感慨深いのです。ひょっとするとさわやかな読後感ってのもその感慨深さが大半なのかもしれないけど、やっぱり文句はありません。僕はおおむね満足だし、どうでも良い。ただ、たとえばイリヤのエンディングはあんまり評判良くないし僕もすっきりしないと思ったけど、それはイリヤが結構注目されていて人気がピークのときだったから、期待も高かったせいではないかとも思ったりもする。どっちも結構伏線というか設定を放り投げてる感じの終わり方なのにオーフェンが許せてイリヤが許せない(少なくとも僕は)のはそういうことかなと。おんなじこと言ってるだけか。つまり終わった事が満足?なんかそれも舐めた考え方やな。でも本当今更って感じなんだよねー。
ちょっと昔話。「獣」とのファーストコンタクトは中一か中二の頃で、確か友達がその友達から薦められたのは又借りして知ったのだった。ちなみにその友達とは今もそれなりに仲が良いのだけど、四月に帰省したときに遊ぶ約束をしたものの当日いくら電話してもつながらず、それ以来連絡していないという妙な状態だったりする。それはともかく、そいつの説明は結構めちゃくちゃで本当に内容を分かっているのか不安になったけど(アクションシーンを明らかに誤読していた)面白いのは本当だった。知った当時はまだ本屋にほとんど置いてなくて、借りて読んだ後しばらくしてから既刊を買おうと思って何度も本屋に行ったものの全然置いておらず、一度一冊だけ見つけたときにたまたま金を持っていなかったので次の日今度は金を持って見に行ってみるともうなかったりして、それからこのシリーズが出るときには絶対予約しようと決めて、結局西部編が終わるまでは一ヶ月前から予約していたりとかしていた。当時の僕はマンガとか全然読んでなくて(親が厳しかったので)、少し前にスイミングクラブの友人から瑠璃丸伝を借りたのがライトノベル初体験で、それからいくらもしないうちにこのシリーズを知り、学校に置いてあったライトノベルを色々読んでスレイヤーズとか(当時の富士見ファンタジアの棚って神坂一と六道慧が大半だったような気がする。あと冴木忍とか。六道慧も冴木忍も読んだこと無いけど)大久保町シリーズとか買い出して、高校に入って漫画読んで買うようになって…て感じでずるずると入っていったのだった。…漫画買い出したのってそんなに後だったっけと思うんだけど、でも大体冬目景を初めて読んだのが高三の八月で(京大プレで長崎に行った日だったのでよく覚えている)、それまでバーズも知らなかったんだよな。ずいぶんと遠いところまできたものだ。
話がずれたけど、つまり僕のヲタ黎明期に知ってはまったこのシリーズは思い入れもひとしおで、まあ感慨深さが面白さを嵩上げしているかもしれないけどそれは仕方ないよねと言いたいのだった。長かった。