消えた少年たち(オースン・スコット・カード、ハヤカワ文庫)

しばらく前にニュースな本棚で紹介されているのを見て読んでみたかったのだけど、最寄の図書館にはハードカバーしか置いていなかった。重たい本を持って帰るのがいやでその時はあきらめたのだが、あとで結局借りることにした。ところが借りた後ふと近くの古本屋に行ってみると、文庫版が上下巻そろって置いてあったりしてへこんだ。当然すぐさま購入し、借りた方の本はそのまま返しに行った。文庫だとキャンパス間連絡バスの待ち時間なんかに読めて便利。
大変面白かったのでネット上の感想を見て回ってみたのだが、思ったほど褒められていなくて驚いた。最大の原因は、失踪した少年たちの話が出てくるのがかなり最後の方になってからで(上巻では全く出てこない)それまではまるっきり家族小説であるせいっぽい。そのために拍子抜けだと感じたり、ラストがとってつけたように浮いていると感じた人がわりといるよう。あと主人公がモルモン教の信者だったりして、言うことが肌になじまなかったりすることがあるせいかも。個人的には家族小説の部分も面白いと感じたのだけど、アメリカの家庭なので結構感情の発露が激しかったり、あと家族の周りに嫌な奴がいっぱいいるのでそのあたりが読んでてきつかったと感じた人もいるらしい。でもまあ一度手にとってみる価値はあるかと。
エンダーのゲームの方が面白いという感想もあったので、今度は図書館で借りて読んでみようと思う。これは文庫が置いてあったはずだし。